金沢旅行④近代建築探訪〜商人の街・尾張町と武家屋敷

寄生妻日記
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楽しかった金沢旅行、今回は最終回です
こう文字にするために思い出してはまた行きたくなってきます!

今夏の思い出、金沢の旅行記はこちら
第3回は金沢城周辺の洋館を巡りました

尾張町商店街

尾張町

金沢城の城下町の一つ
前田利家の生地・尾張国から御用商人を呼んで住まわせたため、“尾張町”となった
江戸時代は商いが盛んで金沢の経済の中心だった
かつては時計屋、紙屋、薬局、洋酒店、油屋などがあり、今は建物を保存しながらリノベーションして別業態が営まれている

場所は近江町市場と主計町茶屋街の中間、百万石通り
天気が良いと散策にちょうど良い

尾張町町民文化館

尾張町商店街を歩くと一際目立つ重厚な建物が
壁は黒く、窓は格子があるので守るものが置かれた場所だったことが伺えます

1907年に金沢貯蓄銀行尾張町本店として建てられました
銀行の合併で北陸銀行尾張町支店となった後、役割を変えて今に至ります

設計は長岡平三ではないかと推定されています
外観は黒漆喰で和風、対して内部は白漆喰に塗られ洋風
一歩入ると驚きが広がる建物です
内部はデスクなどを配置していないせいかもしれませんが、全体的にシンプルで、天井も上品です
外観ほどの重厚感はなく、構えずにいられる空間に感じました
現在の普通銀行の役割を果たしていたことから、一般人向けであるのを意識しての趣向なのかもしれません

地下には金庫だったところがあり、現在はギャラリーになっています

老舗交流館

尾張町商店街にある商屋だった建物
現在は尾張町商店街の歴史を紹介する無料休憩所になっています
(イスもあります)
ショーケースも当時のもので上部にはアール・デコのシンプルながら、美しい模様があります

老舗交流館

明治期の商店が描かれた版画と1958年(昭和)に三田商店から撮った写真が展示されています
かつての活気がうかがえる貴重な資料
まずはここへ立ち寄ってから商店街を散策すると、変わらない街が発見できます

そのほかにも、当時の商屋の調度品が展示されているので、気軽に立ち寄ってみるのがおすすめです

北國銀行武蔵ヶ辻支店(旧加能合同銀行本店)

この建物は尾張町ではありませんが、尾張町と同じ百万石通りの先端に立っています

北國銀行は1943年に加能合同銀行、加州銀行、能和銀行の3行が合併してできました
前身の一つ、加能合同銀行の本店として1932年に建設されました
日本のモダニズム建築の巨匠・村野藤吾設計の3階建鉄筋コンクリート造
2009年に隣接する近江町市場の再開発に伴い、曳家により移設・改修
丁寧に改修されているため、一見築浅に見えるほどです
外壁はスクラッチタイルが使用されています
正面に見える大きな窓はランセットアーチと呼ばれるゴシック様式に用いられる形状
くぼみに注目すると格子が繊細な模様になっています

もーは教会に見えたんだ
大きい窓が特徴的だよね

武家屋敷跡 野村家

長町武家屋敷の一角にあり、一般公開されている野村家
この界隈は中級武士の武家屋敷が集まっていた場所で伝統環境保存区域および景観地区に指定されています
野村氏は前田利家が金沢城へ入城する際に直臣だった一人で、11代にわたって重要な役職に就いていました

野村家は1922年に建てられた木造2階建
実は野村氏が住んでいた建物は撤去されています
廃藩後、野村氏から別の人の手にわたり、久保彦兵衛が移築してきたお部屋をもとに作りました
主屋と土塀が登録有形文化財に指定されています

上段の間は豪華な総檜の天井
折上格天井で非常に格式高い様式
濡れ縁と呼ばれる奥の縁側付近にはガラス入りの障子戸があり、近代の息吹を感じます

2階には茶室が設けられ、実際にお茶をいただくこともできます

野村家周辺には、長町武家屋敷休憩館旧加賀藩士高田家跡など昔の様子が知れるスポットがいくつかあります
公開範囲がこんなに広いのは野村家くらいなので興味がある方は入ることをおすすめします

全4回の金沢旅行記も最終回を迎えました

振り返ると江戸時代と近代が色濃く残る街でした
近年、駅前や近江町市場をはじめ、いろんな文化財も再生しており、より洗練された観光地化が進んでいます
新幹線でスイスイ行けてしまうので、金沢市の中心部だけでしたら2泊くらいがちょうど良いです

北陸の恵まれた資源を満喫し、石川県内の和倉温泉小松など少し離れた場所や富山県の方も行ってみたくなりました!

最後までご覧いただき、ありがとうございます
またどこかへ行った際はブログにしたいと思います
それでは

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