台湾旅行|台南の建物探訪5 国立台湾文学館/旧台南地方法院

寄生妻日記
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ぴーやん・もーの台湾旅行

台湾旅行の概要
  • 人数
    夫婦2人
  • 期間
    現地5日間
  • 主な滞在地
    台北市、台南市
  • 旅程
    台北3泊→台南2泊
    お得な台湾高速鉄道のチケットで周遊

国立台湾文学館(旧台南州庁)(おすすめ★★★★★)

  • 日本統治時代の官公庁建築
  • 入館無料
  • 営業時間
    (火)〜(日)9:00〜18:00
  • 住所
    台南市中西区中正路1號

1916年、台湾総督府営繕課の森山松之助設計で台南州庁として建設

戦後も台南市政府庁舎など長らく官公庁に活用されました

2003年に国立台湾文学館として開館
外来政権統治の影響を受けながらも発展していった台湾文学について発信する場になっています

内部は台湾文学の展示とともに、国立台湾文学館の建物自体の紹介も一緒にしています
完全に修復せずに一部残して見せてくれます
詳しくは後ほど写真とともに見ていただきましょう

建築に関する見どころ・展示

設計を担当した森山松之助は東京駅舎などに代表される辰野金吾に師事、総督府を設計した長野宇平治と学んだ人物です
国立台湾博物館 鐵道部パーク台南地方法院も手がけています

東京駅舎総統府国立台湾文学館台南地方法院も赤煉瓦に白の石造りが特徴ですよね

大通りに面している壁面は1階部分に赤レンガを露出させていないですね
少し赤要素が薄い印象です
入口のペディメントがブロークンペディメント、三角の下線が切れています
また、様々な様式の柱が多用されていて、入り口にはイオニア式、2階はドリス式、両翼部分は壁と一体化になったピラスターがあり、横に広がった建物でありながら、垂直のデザインも意識したものになっています
屋根は銅瓦葺きでドーマーウィンドウがあります

現在、国立台湾文学館は非常にユニークな建物になっています
それがわかる、内部といっても半分外観のような場所へ移動します

そこに展示されている模型にある通り、本来の形はV字に近い両翼が長く伸びた設計でした
それを残したまま、背面に新しく増築しています

実は背面は1階も赤レンガが全面に出ていて、表と印象がかなり違っています
そして半円アーチが外面にも、外廊にも続いています
屋内なんだか、屋外なんだか、本当に不思議な空間になります

衛塔など、床下の様子を見ることができます
排水や湿気の調整などをするために空間が設けられていたんでしょう
当時が丁寧な仕事だったのがわかります

窓も重錘式という時計などにも使われる原理で、2つの錘(おもり)が両脇にぶら下がっています
これで窓の開け具合を任意の箇所でできるようになるそうです
錘は壁の内部に隠れていたんでしょう、仕組みを解説するためにわざわざ壁を取っ払ってくれています

そのほかにも修復に伴い、建物のの魅力が伝わるような残し方、露出の仕方をしており、非常にこの建物に情熱を持って工事されたことがわかります
あとは実際行ってみて、解説を翻訳して読んでみてほしいです

文学に関する展示

土日限定で館内ツアーも行われていて、日本語は対応していないのですが、時間が合えば参加するだけでもしても良いかもしれません

そしてこの国立台湾文学館も例にもれず、展示方法が新しいです
視覚的に訴えるものが多いので、言語がわからなくても、伝わるものがあります

日本でも博物館などに足を運びますが、正直多くの場所がまだデジタル技術を活用できていないように思います
今回訪れた台北も台南も進んでいて、かなり参考になるような展示方法です

時代とともに外的な要因で言語や思想の変化があり、文学作品にも大きく反映されています
文字の力をテーマに、力強いメッセージが込められています

一部は日本語解説もあります
著名な文学者のゆかりの品も飾られています

2階も別の企画展があり、いったときは原住民に関するものでした
文学作品を題材にした演劇についても紹介があったり、全体として文学が与える影響などを知ることができます

台南地方法院(おすすめ★★★★★)

  • 日本統治時代の裁判所
  • 入館無料
  • 営業時間
    (火)〜(日)9:00〜17:00
  • 住所
    台南市中西区府前路一段307號

1912年に落成した裁判所
これより一つ前に紹介した国立台湾文学館も担当した森山松之助が設計

戦争も変わらず台南地方法院として機能をし続けます
しかし建物自体は大きな損傷を受け修復を試みますが、途中災害にも見舞われ、何度も解体の危機にさらされます

1991年に国家二級古跡に指定され、ようやく解体の難を逃れることに成功
2001年に庁舎へ移転されるまで、台南地方法院としての役目を果たしました
博物館へのリニューアル工事が行われ、2016年に一般公開が開始されます

バロック様式の左右非対称な造り
日本統治時代に建てられた中では非常に珍しいです
鱗の形をしたスレート葺で、マンサード屋根に小さなドーマーウィンドウがついています
東側にはドームがあります
窓はキーストーンが強調されたデザイン

中に入るとすぐあるドーム下
大きな柱が合計12本あり、荘厳な空間です
床にはタイルが敷かれています

廊下も場所によって材質や造りが違うので、雰囲気も様々
しかし半円アーチになっているのは共通
全ての廊下を制覇するのも楽しみポイントです

落成当初の絵が描かれたポスターがありました
撤去され復元されてないですが西側に塔があったことがわかります
ドームと対照的に立っていて印象的です

法廷として使われていた空間もまた独特です
窓側と同様に奥の壁も半円アーチとピラスターが装飾として施されており、統一感のある連続したリズムを生み出すのとともに厳粛な雰囲気を出しています
古代ローマやロマネスク様式の影響があります

展示では、台湾における司法の歴史、実際の施設の利用法を学ぶことができます
こちらの解説は日本語訳がないので、専門用語も頻出するため理解するには厳しかったです
スマホで翻訳するのがオススメ

留置所だったところも公開
入り口が狭く、うなぎの寝所のようで、固いベンチだけがあります
人気の写真スポットになっています

非常に広い敷地で、中庭もあります
中庭に面している建物の一部は外廊になっています

そこにあるのは100年ガジュマル
つまり創建の初期から植えられていたことになります
近くには若いガジュマルもあって、時の流れを感じます

外廊

防空壕もあります
建物自体が精巧なものだけに、入口は岩を積んでできていてここだけ粗さを感じます
切迫した状況なのが伝わってきます

ぴーやん・もーの台湾旅行まとめ

入国前

滞在中

帰国時

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