建築好きもーが限られた滞在時間の中で見学を厳選した台北の建築探訪、最終回!
今回は外観のみ見学しています
10箇所を一気にご紹介!
外観だけとはいえ、どれも素晴らしい建築物なので、台湾旅行の際はぜひ足を運んでみてください
ぴーやん・もーの台湾旅行
國立臺灣大学醫學院附設醫院西址 (旧台北帝国大学医学部附属医院)(おすすめ★★★★★)



もともとは1895年に創立された台湾大学医学部の教育研修病院
台湾総督府が管轄で創立したが、のちに台北帝国大学ができるとその医学部附属医院に、終戦後は台湾大学医学院という位置付けになった
この建物は1924年に近藤十郎設計で建てたれた
1階と2階で柱の様式が異なっていますね
また角柱もあります
病院の周辺にはヤシの並木をはじめ、南国の植物が植っている様は日本ではなかなか見られないので、日本人が建築したとはいえ、
駅の3番出口付近からも側面が見えます
復健部の入口になっているので、ここからの見学は難しいかと思いますが、木々からチラッと見える部分は正面の華やかさとは違った堅実さが表れています
ここから正面入り口へは徒歩2分です
院内にある有名なLOUISA COFFEEも入ってみよう
台湾のコーヒーチェーンLOUISA COFFEEがあります
出入り口は院内だけでなく、外とも通じているので、用がないのに病院に入りづらかったり、建物をじっくり味わいたい時に良さそう
屋内、テラス席もありますので、好みの席で台湾建築を堪能しましょう

司法院 (旧台北高等法院)(おすすめ★★★★)



日本統治時代から現在に至るまで国の最高司法機関が使用している
台湾では司法院がその役割にあたる
1934年に台湾総督府営繕課の井手薫によって設計され竣工した建物
井手薫は後述の中山堂(旧台北公会堂)も担当している
なんとも言えないくすみがかった黄緑色は国防色と呼ばれ、第二次世界大戦中に日本陸軍が軍服にも採用された色
戦禍では目立ちにくく標的になりにくい色のようです
車寄せや窓の丸いアーチが特徴的ですが、4階部分はのちに増築されているので、四角く簡素なデザインです
時計がかかっているのも珍しい
時計付近や車寄せの上部外壁など、いくつか菱形がモチーフになっていて、ダイナミックな中にある華やかさを演出しています
手前の道路も格子になっているのは意図的でしょうか?
中華電信 博愛服務中心(旧台北電信電話局)(おすすめ★★★)

1937年竣工の鈴置良一設計
戦後にバルコニーが撤去、4階部を増築している
階層ごとに水平に伸びた帯のようなデザインと縦長の窓のコントラストがモダニズムを感じる建物
正方形のタイル貼りで当時は人目を引いていたのではないでしょうか
鈴置良一は日本の逓信省に身を置いたのち、台湾に渡っている
台湾では台湾総督府の交通局や営繕課で基隆港合同廳舍、嘉義電信局も設計しており、逓信省にいた経歴が生かされていることがわかります
同時期に活躍した宇敷赳夫も同じ学校出身
現在使用している中華電信は、台湾最大手の通信事業者で元国営企業
店舗として営業もしているので中に入ることは可能ですが、中華電信に用がなければ外観だけ楽しみましょう
SIMカードの販売なども行なっているようです
國史館(旧交通局遞信部)(おすすめ★★★)


中華電信 博愛服務中心を設計した鈴置良一が一時所属していた逓信部の庁舎
1925年森山松之助設計で建立
国立台湾博物館 鐵道部パークも設計した人です
1階は倉庫、2、3階をオフィスとして使用しており、一部金融業務も担っていたため鉄門などセキュリティが強化された建物
こちらも戦後に4階部が増築されている

司法第二大廈(おすすめ★★)

情報の少ない建物なので確かなことは言えないです
一見歴史的建造物ですが、6階建で3階部以上はかなり現代的な造りになっています
増築されたのかもしれません
詳細は不明だが2000年代に建設されたという情報もあります
臺灣銀行總行大廈(おすすめ★★★★★)

台湾銀行は1899年にできた
日本統治時代は貨幣が発行できる特殊銀行、商業銀行、そして中央銀行として役割を果たしていた
1927年の昭和金融恐慌がきっかけで休業になり、その後再建を果たしたが終戦で解散した
そして戦後の1946年に台湾銀行・台湾貯蓄銀行・三和銀行の一部が統合され、新設の台湾銀行になった
こちらは民間ではなく台湾省営を経ての国営銀行
商業銀行であったが、2000年まで台湾ドルを発行しており、以後は中央銀行である中華民国中央銀行が発行
本店建物は継続して使用されている
1937年西村好時設計の新古典主義建築
地上3階、地下1階の大きな建物
これぞ銀行建築というような風貌で、鉄壁のような堅固さが伝わってきます
両替で立ち寄るのも良いですね
臺灣銀行文物館(旧帝国生命会社)


臺灣銀行總行大廈の向かいにある
台湾銀行が2013年に設立した台湾銀行文物館
出版品、愛国賞券、銭紙紙幣、古金貨、書画、器物及び史料などを展示している
建物は1930年代の帝国生命(現 朝日生命)のオフィスビルとのことだが、詳細な情報は乏しい
少し黄みがかった色がよりノスタルジーを醸し出しています
中山堂(旧台北公会堂)(おすすめ★★★★★)



1936年建てられた4階建の建物
司法院 (旧台北高等法院)も担当した台湾総督府営繕課の井手薫を中心に設計し、竣工した
当時2,000人余を収容できる大規模な集会所だった
2階の光復廳は日本人最後の台湾総督・安藤利吉が降伏文に調印した場所
戦後は名称を中山堂に変え、さまざまな公演や芸術のイベントなどが行われている
2階以上は台湾で製造された国防色のスクラッチタイル
経年からか現在は薄緑というより、クリーム色のように見える
情勢を考えて全体的に装飾が控えめ
しかしスペインで発達したイスラム回教式スタイルが随所に見られるのが特徴的
中央にある車寄せの大きい3つのアーチが異空間へ誘うダークホールのよう
側面にも出入口があり、後から建設されたのか不明だが趣が異なった西洋の装飾を施した柱が建てられている

旧台北公会堂が建てられる前は清朝が統治していた時に行政の拠点を置いていた場所
それを記した碑が建てられている
日本も現総統府を建てるまではその建物を総督府としていた
つまり、日本統治の最初と最後を見届けた場所とも言える
ぴーやん・もーは早朝に行ったので館内には入れませんでしたが、広場でテイクアウトした朝食を楽しみました
現地の方も同じように過ごされていて、台湾の雰囲気に溶け込めた気分になりました
館内の劇場咖啡(藝文沙龍)からも楽しもう
中山堂をじっくり楽しみたいならカフェでのんびりしよう
テラス席もあるので、風にあたりながら過ごすのも良さそう

合作金庫銀行 城内分行(旧台北信用組合)(おすすめ★★★)


マンホールのデザインにもなっているほど、界隈の名所になっているのでしょうか
1927年に日本人のための中小企業組織台北信用組合として建てられた
当時の繁華街である栄町に位置している
戦後は台北第十信用合作社に使用され、それが合併されてから現在に至るまで合作金庫銀行城内分行として使われている
残念なことに設計者は不明
シンメトリーなこの建物はイタリアのルネサンス様式にアメリカのシカゴの商業ビルを少し取り入れている
外壁に彫られているフクロウは、職員不在の夜も夜行性のフクロウが見張っていて安心との意味が込められているそう
ちなみに1912年に建てられた日本銀行旧小樽市店にも同様にフクロウが彫られている
そちらは辰野金吾、そして台湾でも活躍し総統府も担当した長野宇平治らが設計しており、この建物が影響を受けているか同じルーツを持っているはず


行った時はちょうど外装工事中でした
どこまで復元され、生まれ変わるのか楽しみですね
それでも悌子脚の石造アーチがカッコ良いです
確認できる範囲で2パターンありました

國家攝影文化中心 臺北館(旧大阪商船株式會社臺北支店)(おすすめ★★★★★)


1937年施工、オフィスビルを得意とし主に関西で活躍した渡辺節建築事務所設計のビル
日本らしい帝冠建築様式が特徴的
戦後は公営の海運事業を担う台灣航業のオフィスを経て官庁舎となり、9階建に増築もされた
現在は修復して創建当初の姿に戻し、2021年から國家攝影文化中心臺北館としてオープン
國家攝影文化中心は台湾で唯一の国営撮影・映像芸術専門機関でその拠点として活用されている
ちなみに、渡辺節建築事務所設計出身者に村野藤吾がいる
村野藤吾の建物はこちら

台北當代藝術館(旧台北市建成尋常小學校)(おすすめ★★★★★)

1921年に尋常小学校として建設
國立臺灣大学醫學院附設醫院西址と同じ近藤十郎設計
イギリスを源流にもつ辰野式の建築
ドーマーウィンドウが中央の上部にある
当時の典型的な学校建築
両翼があり上からはU字型に、裏側は校庭として使われていた
戦後は台北市庁舎として使われていた
その後台北當代藝術館と台北市立建成国民中学が組み合わさった施設へと変遷していった
ちなみに建物の両翼部が中学校
内部は当時の趣を多く残したままきれいに改装されています
設備も新しいので、歴史と台湾の現代アートを同時に触れることができ、観光に最適です

夜はライトアップもされて違う表情が見えます
かなり暗いです

以上、どどっと建物を見てきました
台湾にはまだ戦前の日本が建物としてまだ残っています
戦後は物資が乏しかったこともあって、仕方なく残していたものもあるかとは思います
しかし一新されなかったおかげで、昨今歴史的・文化的観点から重要なものを残そうという動きも興り、現在に至るまで歴史に実際触れることができます
ほとんどの建物が修復・改修を経て活用されていることを思うと嬉しいです
台湾の建物探訪は台南へ続きます!

ぴーやん・もーの台湾旅行まとめ
入国前
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帰国時
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